登りやすい階段
階段には登りやすい階段、登り難い階段があります。
「登っているのに進まないわね!」と感じる階段や「なんか登り難いわね!」という階段があります。
公共施設の階段は多くの人が「登りやすい」と感じる踏み板の巾や高さに設定されています。
でも、いろいろな条件の人がいるので「登り難い」と感じている方もいらっしゃるでしょう。
住宅の階段は、その家の人に合わせられます。
ちょっとゆるめの階段とか階段スペースを小さくしたいから急勾配な階段にするなどがあります。
家族みんなの条件を考えながら階段の寸法を決めましょう。
登りやすい階段という意味で便宜上使用している簡単な計算式があります。
蹴上げ高さ×2+踏み面巾 = 65〜61
「蹴上げ」とは踏み板から踏み板までの「高さ」のことです。
「踏み面」は足を乗せる板の「巾」のことです。
階段の断面図などには両方の寸法が書かれていたりします。
上記計算式の範囲以内だと多くの人が登りやすい階段と思えるようです。
ゆるめの階段で蹴上げが15cm、踏み面が30cmを計算式に当てはめると60になります。
この階段は登るんだけど、あまり進まないと感じる階段です。踏み面が小さいからです。ゆっくり登るという感じではありますが、詰まった感じがします。
同じくゆるめの階段で蹴上げが15cm、踏み面が35cmになると数値は65になります。
この階段は、上記階段よりも登った時に前に進むという感じの強い階段になります。
当たり前ですよね。1歩の巾が30cmと35cmなんですから5cm余計に進みます。
公園などの階段は上記のようなゆるめの階段でゆっくり歩けるようになっています。「忙しくない階段」ともいえます。
住宅の階段は一般的な寸法で蹴上げ21cm、踏み面21cmです。
建材メーカーのカタログの寸法です。
上記計算式だと63になります。
もう一つ、建材メーカーのカタログでは、ゆるやかな階段ということで蹴上げ19cm、踏み面24cmという寸法が出ています。
これは62になります。
一般的な寸法の階段は決して急な階段ではありません。でも、ゆるやかな階段よりは確実に勾配が急になっていることを感じてしまいます。
「登り易さ」はどちらも範囲以内ですので、大きくは変わりありません。
ただ、一般的な寸法の階段の方が2階に早く登れる感じがします。ゆるやかな階段は、階段を登る大変さをやわらげてくれます。
歳を取った時のことを考えるとゆるめの階段にしたいですね。でも、スペースが少し余計に必要です。
ゆるやか階段は一般的な階段に比べると段数が増えます。踏み板の枚数も増えます。スペースが余計に必要となります。
上記の計算式の範囲は絶対的な範囲ではありません。あくまでも目安です。
上記範囲以内だと階段をリズム良く、気持ちよく登れるという感じです。
●これから家を新築される方へ
階段の昇り降りは2階に寝室があると毎日のことになります。ず〜と使う階段ですので、寸法決めは慎重に行いたいですね。
会社や公共施設などの階段の寸法を測ってみましょう。そして、どんな寸法の階段が登り易いか経験から決めることをお勧めします。
◇道先 案内人(みちさき あんないと)のお勧めは、ゆるやかな階段ですね。
子供にも優しいですし、歳を取った時、少し楽に昇り降りができます。
急いで2階に行きたい時はイライラするかも知れませんが、急いで階段を登ることは少ないのではないでしょうか。
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